消去法が与えた政権

 開票速報を見ていたら、開始早々『民主党大勝』との事で「ああ、やっぱりな」と思った。しかし時間経過と共に、大勝どころか単独過半数超えという事で、『完勝』レベルに達する見通しだ。

 印象的だったのは、TVでインタビューを受けていた方が、『前回の郵政選挙で自民党候補者を支持した事の反省を踏まえて今回は投票します』という旨の発言をしていた事。その結果が民主完勝だったのだとすれば、それは反省しなければならないポイントを見誤っていると思う。

 多分、インタビューに答えていた方にとっての『反省』というのは、『自民党候補者に票を入れた事』なんだろう。でも今回の選挙も、自民、民主が反転しただけで、選挙内容は似通っている。『郵政民営化』が『政権交代』に変わっただけだ。
 本当に国民が反省すべきだったのは、『ある問題に対する賛成反対だけで投票した結果、一つの政党を極端に勝たせた』という事だ。そこから何一つ学ばなかった結果が今回の選挙結果だった。

 そもそも「政権交代しなきゃダメだ。自公政権はもうダメだ」という政権交代の是非論と、「民主党に政権を取らせるべきだ」っていう事はイコールではない。自民党に取って代わる事が出来る規模の政党が民主党以外に無いから、自公政権に対する反対票の受け皿が自動的に民主党になっただけの話で、言うなれば『消去法が与えた政権』だという事だ。

 自分だって自公政権の問題はあるだろうと思う。政権交代を一度経験させるべきだという意見には全面的に賛成する。しかし、次の政権政党として民主党が適任だとするには、いくつかの問題が横たわっていると思う。主にマニフェストの中身について。
 もちろんマニフェストを熟読して、その内容が全て自分の要望を汲み取ってくれている政党などはない。それは仕方ない。ただ、投票するにあたって、各政党のマニフェスト全部に目を通しましたか?とは聞いてみたい。自分は元々活字を読むのが好きな人なんで全部読んだけれど、民主党の政策だって中にはちょっとこれどうなんだろうね、と思えるものが混じっている。それでもこの選挙で大多数の国民が民主党を推した以上、「国民はその政策をある程度理解した上で支持を表明したんだ」と受け取られる。郵政の時と同じで、後になって「そんなつもりじゃなかった」と言っても通らない。

 これで誕生した民主党政権が、もし何か政治的な失敗をしたとする。それならば次の選挙はまた一気に自民党支持に流れるのか。マスコミが作った二大政党制への流れは、本当に国民にとって有益なのかどうか。今後のチェックこそが大事で、政権交代のお祭りムードでいると足元をすくわれるぞ、と自戒を込めてここに書いておく。

テーマ : 衆議院選挙
ジャンル : 政治・経済

プロフィール

黒犬

Author:黒犬
映画と小説を主食に生きている。
地方の片隅で今日も黙々生息中。

最新記事
最新コメント
最新トラックバック
月別アーカイブ
カテゴリ
検索フォーム
Twitter
リンク
RSSリンクの表示
Amazon