悲しみの音、怒りの音・FACT『FACT』

 折角音楽カテゴリを作ったので少しは使ってみよう。
さて、他の人はどうだか知らないが、自分は悲しい時には悲しみを含んだ音楽に触れたいと思う。同様に、怒れる時には激しい音を聴きたいと思う。

 中には、悲しい時には励まされる様な明るい曲を聴きたいと思う人もいるだろうし、怒りに我を忘れそうな時には、静かな音楽で気分を落ち着けたいと思う人もいるだろう。でも自分の場合、悲しいなら極限まで沈んでしまった方がいいし、怒りを静めて心の中に沈殿させるよりは、ある程度の所まで内圧を高めて炸裂させてしまった方がいい。もちろん人に迷惑を掛けない様に、炸裂させる時は自分の脳内で済ませる様にしているけれど。

 その上で考えてみると、最近の自分は激しい音楽に偏って行っているなと思う。スピード感があって、音が隙間無く詰まっていて絶えず何かが鳴っているとか誰かが歌っている様な音楽ばかり聴いている気がする。そう、ヘッドホンから爆音で聴いていたら遠からず難聴になるんじゃないかと思う様な曲だ。
 そういう嗜好から逆に精神分析すると、自分は相当イライラしているし、憤っている。後はいつもよりブログの更新頻度が高いとか、文字数が多いとか、そういう時も何かにイラついている証拠だ。要はそうやって発散しようとしている訳だが、これがなかなか上手く行かない。

 話を音楽に戻す。
 
 自分の場合、イライラしている時に聴く曲は別に特別歌詞やメッセージ性が優れている必要は無い。むしろ意味不明な位が丁度いい。必要なのは音が過剰である事で、普段の自分が聴いたらやかましくて聴いている気にもならない様な曲の方がいい。で、当然ながらそんな普段聴かない様な曲のストックというのはなかなか無いので、必要になった時にレンタルして来たり買って来たりする様にしている。

 そんなこんなで店に立ち寄ったら、能面を被った怪しげなバンド『FACT』のPVが流れていたのでとりあえずアルバムを2枚ほど買ってみた。いや、ニューアルバムがリリースされたばかりらしくてレンタルになくってさ。今日はその中からこれがメジャーデビューアルバムという事らしい『FACT』を。
 うん、いい意味で頭が悪そうな感じで最高だ。能面PVで有名らしい『a fact of life』とか、何故今これをアレンジしようと思ったのかよく分からない『merry christmas mr. lawrence』(戦場のメリークリスマス)とか。坂本龍一に喧嘩売ってんのかっていう。ただその意味不明さが自分のイライラとよくマッチするのも確か。

 自分は音楽に詳しくはない。ただその時々で自分の精神が求める曲を消費しているだけで、音楽というものを体系的に考える事もなければ、歴史的位置付けを論じる事もない。演奏自体や演奏技術の上手い下手にも興味がない。というか、自分が何一つ楽器を演奏しないので評価の基準がわからない。流行を追いかける程アンテナは高くないし、音楽をなくしたら死ぬという程真摯でもない。自分は音楽業界にとって、そういう不真面目な客だと言える。

 それでも、そんな人間の精神にさえ音楽は作用する。これも、ある意味凄い。

 自分は読書が好きなので、読書が自分にとってどれだけ重要かという事には疑問を差し挟む余地がない。そんな自分が本ではなく音楽を必要とする時というのはどんな時かというと、それは本を読んで内容を自分の中で咀嚼するという時間すら足りないという切羽詰まった状況という事かもしれない。読書に味わいがある様に、音楽や映像には即効性がある。耳から流れ込んでくる音楽には、即座に人の精神を揺さぶる力がある。

 だから今日も、自分はなんだかんだ言いながら音楽を聴き、文章を書く。このクソッタレな社会から、せめて音楽が鳴っている間だけでも自分を隔離する為に。

 

テーマ : CD・DVD
ジャンル : 音楽

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Author:黒犬
映画と小説を主食に生きている。
地方の片隅で今日も黙々生息中。

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