駄目人間万歳・沙村広明『ハルシオン・ランチ』

 ここでも色々な漫画や小説を紹介してきたけれど、何が困るってギャグ漫画程紹介文に困るジャンルも無い。後は4コマ漫画とか。

 ギャグ漫画なんていうのは、その面白さの構造を人に説明しようとする事自体が野暮である。というか、不可能だ。
 例えば自分が読んだ事があるものだと、最近新装版が出た篠房六郎氏の『家政婦が黙殺』とか、4コマ漫画の有名所ではあずまきよひこ氏の『あずまんが大王』とかがあるけれど、それらの面白さを構造的に説明しろと言われても返答に窮する。批評とか評論で飯を食っている人ならともかく、自分には無理だ。笑いのツボみたいなものも人それぞれだし。
 もちろん、そこに登場するキャラクターについて語るという事ならいくらでも出来るのだけれど、それと作品そのものについて語るという事とはやはり別問題だろう。

 そこで、無理を承知で本作『ハルシオン・ランチ』についてなのだけれど……うん、何ていうか、駄目人間を描く時の沙村広明氏は本当に楽しそうだなというか何というか。

 大体、『部下に2000万円持ち逃げされて不渡りを出し、会社は倒産、家は抵当、今や絶賛ホームレス中の元会社経営者』とかいう、漫画のメインキャラクターとしてどうこう以前に人としてもう詰んでいる様な奴を嬉々として描ける漫画家というのはそう多くない筈だ。その金を持ち逃げした部下というのも相当詰んでる奴だったけれど。『臓器を売れ』なんて台詞久々に見たわ。ヒロインはヒロインで人間じゃないしな。

 漫画で人間じゃない女の子が男の下に転がり込んで来る展開というと、普通にラブコメとかになるのだけれど、沙村氏の手にかかるとかなりカオスな世界が広がる。微グロもあり。時事ネタとか小ネタも多いけど。それからアフタヌーンの系列だからか何なのか、数人のヤクザが銃を抜くシーンで『重力子放射線射出装置』とかが混ざってたりする。何故ここで『BLAME!』ネタが……。沙村氏も読んでるのかな。

 ともあれ、やはりギャグ漫画について語るというのは難しい。もうここに書いてある事を読む位なら、各々漫画を読んでもらった方が早いと思うよ……などと上に書いた文章全部無駄でしたみたいな事を言いつつ、今回はこれにて。

 

テーマ : 漫画の感想
ジャンル : アニメ・コミック

コメントの投稿

非公開コメント

プロフィール

黒犬

Author:黒犬
映画と小説を主食に生きている。
地方の片隅で今日も黙々生息中。

最新記事
最新コメント
最新トラックバック
月別アーカイブ
カテゴリ
検索フォーム
Twitter
リンク
RSSリンクの表示
Amazon