『トランスフォーマー』

 昨日の森見登美彦『太陽の塔』から『へもい男子』繋がりで、トランスフォーマーを。もうすぐ二作目の『トランスフォーマー リベンジ』も公開されるしね。自分は一作目は劇場で見た。

 ハリウッド映画のSF超大作ともなると、まず一目でわかる凄さとしては派手な特殊効果、CGの凄まじさがある。CGといっても最近は皆見慣れてきて、ちょっといいかも、位のレベルだと驚いてくれない様になったと思う。観客の目が肥えて来て、要求水準が高くなったせいだ。
 でも、このトランスフォーマーはそんな観客でもちょっと唸ってしまう位のCGで迫る。何より本作の売りであるトランスフォーマー達の変形シーンやアクションシーンは滑らかに動き過ぎてちょっと気味が悪い位だし、その巨大ロボットの足元を人間達が駆け抜けたりするシーンは、人間目線から見上げたメカの巨大さが強調されていて迫力がある。更にはアメリカ空軍全面協力という事で、軍事マニアにも見所の多い映画だ。荒唐無稽なロボットと本気で戦う米軍が非常に格好良く描かれていた。

 ただ、ここで注目したいのはそういった迫力のある映像よりもむしろ人間側の主役であるサムのキャラクターだ。
 序盤のサムは一言で言って、冴えない。昨日からの繋がりで言うと、へもい。日本的に言うとオタクというかアキバ系だ。しかしこれが次第に頼もしく変化し、主役らしさを発揮して行く。ここまでオタクに配慮した脚本はなかなかない。
 最初はヒロインのミカエラにもなかなかアプローチ出来なかったサムが、ヒロインと二人で危機に巻き込まれる中で最終的には彼女から好かれる様になってしまうという展開は、ここまでやったら流石にやり過ぎなんじゃないかと思う位だ。当然現実にはこんな事絶対に有り得ない。映画館でこれを見た後、劇場を出る時に思わず心の中で叫んでしまった。

 『サム、お前がこの映画で一番のトランスフォーマーだよ』

 そりゃ天から降って来た様な危機に巻き込まれて右往左往した挙句、気が付いたらロボットに変形するマイカーと彼女を手に入れました、なんていったら『負け組からリア充へのトランスフォーム』以外の何者でもない。いや本当に。

 ストーリー以外の点では、映画に登場する様々な名詞がアメリカ準拠なのが気になるといえば気になる所。『オートボット』『ディセプティコン』と言われるよりは『サイバトロン』『デストロン』の方が馴染みがあるし、『オプティマス・プライム』と言われるよりはやはり『コンボイ司令官』の方がしっくり来る。ただ、そんなものは重箱の隅の話なので、映画としては十分面白かったけれど。

 というわけで、自分も含めて世の冴えない、へもい男達に捧げられた映画と言っても過言ではない大作映画でした。真剣に見ればそこが鼻に付くという人も多いだろうけれど、何も考えずに見るには最適。特にストレス解消にはいい映画。近日公開のリベンジももちろん観に行こうと思ってます。


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No title

小さい頃トータルリコールを観てから苦しみもがきながらも愛し合う男女の姿を描いた作品をたくさん観るようになったので、ずっとDVDで観るのが楽しみでした(爆)

1と(まだ断片的にしか見ていない)2は戦闘シーンだけでなくギャグがあって観てて楽しかったですが、3はサムとオプティマスが大切なものを守るためにある決断をするシーンが観てて辛かったです・・・・・・・・

>シンジンさん

こんばんわ。思えばハリウッド映画版のトランスフォーマーも結構長いシリーズになりましたね。

『トランスフォーマー』『トランスフォーマー リベンジ』『トランスフォーマー ダークサイド・ムーン』『トランスフォーマー ロストエイジ』と、4作品も公開された訳ですから、結構なドル箱作品と言えるのでしょうか?

一応、一通り観ているのですが、『ロストエイジ』で人間側の主人公がサムから変更されたのは意外でした。そして代わりに登場するダメ親父。こう言ってはなんですが、ハリウッド映画って『ダメ親父の復権』っていうテーマが結構好きですよね。で、娘の連れて来た彼氏が気に入らなくて一悶着起こすとか。
この流れ、どこかで見たなーと思っていたのですが、同じマイケル・ベイ監督の『アルマゲドン』でした。まあ脚本家は違う様ですが。

『バットマン』とか『スーパーマン』とか『スパイダーマン』とか、後は一連の『アベンジャーズ』関連作品を見ると「日本もネタはあるんだろうから、ちゃんと予算付けて優秀なスタッフをかき集めればそれなりの大作映画が作れるのでは?」という夢を見たくなるのですが、制作費のケタが違うのか何なのか、現実は厳しい様です。
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黒犬

Author:黒犬
映画と小説を主食に生きている。
地方の片隅で今日も黙々生息中。

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