無能な政府が犠牲者を生む時

 毎日jp『子ども手当:韓国人男性が554人分申請 孤児と養子縁組』


 ……だから言ったじゃん。
 前にも書いたけれど、この程度の事考え付く奴はすぐに考え付く。人間の善意に立脚した制度を自分は信じない。人間というのはそんなに綺麗な生き物じゃない。

 無能な政府は犠牲者を生む。あえて酷い書き方をするけれど、この程度の問題が起きる事すら想定出来なかった時点で、子ども手当てという制度は破綻しているし、問題を問題として認識していない政府は無能だと思う。
 この韓国人男性がどういう意図で子ども手当てを受け取ろうとしたのかは定かではない。可能性は限りなく低いかもしれないけれど、本気で554人の子供を育て上げようとした可能性もあるし、実態がどうであれ、本人がもしその様に主張して裁判でも起こせばどうなるものか分からない。彼が金目当てに子供達を利用したのだという事が明らかになる様な確たる証拠でもあれば別だけれど。

 子ども手当てという制度の問題として、支給の基準が曖昧だという事がある。だから今回、厚生労働省が韓国人男性を不支給扱いにした事についても、法的な根拠は何もない。仮に裁判沙汰になったとして、不支給の根拠を『社会通念』などと説明しても、それが通るとは到底思えない。

 自分が腹立たしいのは、今回の件で国や地方自治体が被害者面している事だ。まあ、地方自治体の受付窓口は無能な政府の方針に振り回されていい迷惑だろうとは思うけれど、少なくとも政府と厚生労働省はさっさと対策を立てる事が急務なのであって、変な奴に噛み付かれて迷惑だなんて言って時間を潰している場合ではない。今回の件については制度の不備が根底にある訳だから、身から出た錆でしかない。

 では誰が被害者かと言えば、当然この韓国人男性の養子となった子供達だ。日本政府の誰が彼等に対して責任を取れる?子ども手当てを推進した民主党政権や、厚生労働省が彼等の人生を保証出来るのか。仮にこの韓国人男性が子ども手当てを受けられなかった事を理由に養子縁組を解消してしまった場合、彼等の一人一人に対して新しい親を探してあげる事が誰に出来るのか?誰にもそんな事出来はしない。

 国民の側は国民の側で、そろそろ『こんなに問題がある制度ならもう子ども手当てなんかいるか!』って言ってもいい時期じゃないかと思う。まあ自分の場合、自分に子供がいないからという部分もあるし、小さい子供がいる家庭では多少なりとも生活が楽になるから賛成したいという気持ちもわかるけれど。
 しかし、この『手当て』っていう言葉で誤魔化されているかもしれないけれど、これって要するに政府からの『施し』でしかない。国から国民に対して金を恵んでやるよっていう事でしかない。それも自分達が支払った税金や、国債等の国の借金から微々たる金額がキャッシュバックされて来ているに過ぎない。で、そのツケは誰が返すんだ、となった時に、実際に負担を強いられるのはきっと子ども手当ての対象になっていた子供達の世代なんだろうと思う。

 国から金がもらえて嬉しいな、と思う前に、その事も少しは考えておくべきなのではないか。

テーマ : 子ども手当て
ジャンル : 政治・経済

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Author:黒犬
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地方の片隅で今日も黙々生息中。

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