基地なき日本へのロードマップ

 一応、昨日の話からの続き
 ニュースを見ていると、連日沖縄の基地問題が取り上げられていて、鳩山総理が5月決着を事実上断念しただとか、アメリカが日本の用意した移設案に難色を示しただとか、何だかグダグダな展開になっているなと思う。これ本当に決着するのかっていう。

 酷い言い方になってしまうけれど、自分は沖縄県民じゃないから、この問題に関する切実な思いがある訳ではない。だからどこかこの問題を第三者的な立場で眺めてしまうのだけれど、問題の当事者ではない自分からすると、国と沖縄県の議論が噛み合わないのは両者に問題があると感じる。

 まず国というか、民主党の問題。一番の問題は『本来出来もしない県外移設を公約にした事』だ。まあグアムに海外移転しろと言っていた社民党はもっと酷いけれど。
 どんなに『いい事』を言って支持を集めたとしても、ぶっちゃけ言うだけだったら意味は無い。言うだけだったらタダだし、誰でも言える。この凡人の自分にだって言える。「在日米軍基地は全部海外に移設させます」だっていいし、「消費税はゼロにします」だっていい。言うだけで良ければ。
 当然、現実には「言ったからにはやれよ」という事になるのだけれど、そこで言った事に責任が持てない様な奴は誰も支持しない。

 誤解が無い様に言っておくと、自分は別に目標を高く持つ事を否定している訳ではない。それが素晴らしい事だと思うのなら、万難を排して実現しなければならないという覚悟を決めてやればいいと思う。ただそこで、現実問題としてどんなロードマップによって目標に辿り着くのかという事、つまり目標実現の為の具体的な道筋を考える事が必要だという事だ。実現の見通しも立たない様な計画を立てて「いつかそうなったらいいですね」なんて寝言を語らせる為に税金使って国会議員を養っている訳ではない。少なくとも自分は。

 沖縄県や、在日米軍基地不要論者の側の問題点というのも実はここにあって、『沖縄県から米軍基地を移転させる』という目標、ひいては『日本から米軍基地を無くす』という大目標を実現しようと思うなら、まずそこに至る下地としてアメリカに対してものが言える日本になる為の手順を政府に踏ませなければならないし、仮に米軍基地が無くなった後の日本の安全保障について在日米軍の代替となる実現可能な枠組みを構想しておかなければならない。
 平和集会をやって、基地不要、核廃絶、戦争放棄と唱える事は大事な事ではあるし、無駄だとは思わないけれど、でもそれだけをやっていても日本の政治家は動かないし、アメリカを納得させる事も出来ない。政治とか、それによって動く国というのはもう一種の巨大なシステムなので、そこで動いている政治家個人の人間性とか善意に訴えるだけでは何も動かせない。

 コンピュータのプログラムには専用の言語を使う様に、政治や国を動かす為には彼等に有効な言語でコマンドを撃ち込んでやる必要がある。その有効なコマンドが何なのかは時と場合によると思うけれど、自分達が正しいと思う事を自分達の言葉で叫んでいてもシステムには伝わらないという事だけは確かだ。そして仮に沖縄から基地を無くせたとしても、良い事ばかりではなくて、日本は在日米軍が抜けた穴を埋める為に今度は自前の安全保障というものを考えなくてはならない。そこまでやり遂げる為のロードマップを、政府も沖縄も持っていない事が、この問題の出口を見えなくしている。

テーマ : 雑記
ジャンル : 日記

コメントの投稿

非公開コメント

プロフィール

黒犬

Author:黒犬
映画と小説を主食に生きている。
地方の片隅で今日も黙々生息中。

最新記事
最新コメント
最新トラックバック
月別アーカイブ
カテゴリ
検索フォーム
Twitter
リンク
RSSリンクの表示
Amazon