テロ戦争への恐怖・『FRONT MISSION EVOLVED』

 『フロントミッションエボルヴ』なぞ買ってみた。
 シミュレーションゲームだった過去のフロントミッションシリーズから、今回はアクションシューティングになり、ゲーム性も大幅に変更されている。というか、何か普通のTPSだよなこれは。そしてTPSでありながら、敵を倒す事を考えたら遠距離からチクチク撃つよりも近接戦闘で殴った方が早いという。ちなみにオンライン対戦は未プレイ。

 という事で、過去のシリーズからどこが変わったとか、各キャラクターのイラストとゲーム画面の3Dモデルが顔違い過ぎて「誰だコイツ」状態とか、ステージ毎に強制カスタマイズが発生する場合があってうざったい(このステージでは四脚パーツを装備していないと出撃出来ない等)とか、色々と言いたい事はあるのだけれど、まあそれはひとまず脇に置いてストーリーに触れてみる。まだクリアしていないけれど。

 今回の『フロントミッションエボルヴ』で主人公達に敵対する組織は国家ではなくテロ組織に近い位置付けになっている。しかも、物語の冒頭でその組織がニューヨークを強襲し、軌道エレベータを破壊する。誰が見ても、『ああ、要するに9.11だよなこれって』という非常に解り易いストーリーだ。

 『主人公が何かと戦う』という物語を作る時に、何を敵として据えるのかという部分には制作サイドの思想であったり、今の世界情勢というか世相の様なものであったり、言い換えれば時代性が反映される場合が多い。例えば『新世紀エヴァンゲリオン』というアニメがブームになった時に、作品分析をしていた人達がよく言っていたのは、『使徒という敵が揃いも揃って何を考えているのか分からず、対話も出来ず、名状しがたい姿をしているのは、明確な敵を見定められない現代人の姿が反映されているのだ』とかなんとかいう事だったりした。まあそれが当たっているかどうかは別として、今のアメリカを中心とした各国が何を敵として見ているかという時、やはりテロ組織というものの怖さがあるのだろうと思う。そして本作でテロ組織に雇われる傭兵部隊のメンバーが揃いも揃って人格破綻者というのも、『テロリストはこんな連中なんですよ。理解や対話、交渉が出来る相手ではないんですよ』というメッセージだ。

 ゲーム一つにしても、これだけの意図が込められている。『国家間の戦争はひとまず置いておいて、先ずはテロリスト潰そうぜ』とかね。それをプロパガンダとまでは言わないけれど、もう少しオブラートに包めばいいのにと思わなくもない。

 

テーマ : PS3
ジャンル : ゲーム

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Author:黒犬
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地方の片隅で今日も黙々生息中。

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