プロをアマチュアが駆逐する時

 少し放置し過ぎたか。別に病気で体調を崩していたとか仕事が極端に忙しかったとかいう事では無く、何となく更新する様な話題が無かっただけなのだけれど。最近は本も読んでいないしね。

 それで何をやっていたかと言えば、先日も少し書いたけれど『モンスターハンターポータブル3rd』の体験版をプレイしたり、動画投稿サイトにアップされているプレイ動画等を見たり、久し振りにゲーマーっぽい事をしていた。まあ自分はもうゲーマーは廃業した様なものなのだけれど、一番ゲームをやっていたであろう中学高校時代はアーケードゲームの横スクロールアクションをワンコインクリア出来るまでやり込む等の無駄な情熱を燃やしていた位、結構ゲームは好きだ。

 さて、ゲームのプレイ動画を見たりしていると思うのだけれど、中には仕事でもないのにかなりの手間をかけて動画編集をして、面白い動画を作っている人もいる。例えば一つのゲームを最初からクリアするまでのシリーズとして定期的に更新している人や、更に字幕や音声でゲームプレイに実況を付ける人もいて、人気がある投稿者になると結構な数の視聴者を抱えている。自分は単純に見る側だけれど、これはなかなか凄いなと思う。

 当たり前だけれど、動画投稿サイトに作品をアップする行為自体は全くの非営利だから、どんなに凝ったものを作ろうが、どれだけ再生数を伸ばそうが作者は金銭的な利益を得ない。これが例えばオリジナル曲等であればメジャーデビューの道に繋がったりするのかもしれないけれど、ゲームプレイ動画の場合はそれもない。
 言ってみれば『仕事ではなく、趣味だからこそ出来る』という世界なのかもしれないけれど、こうなってくると逆に広告業界やコンテンツビジネスのプロの世界という奴は今本当に厳しいんじゃないかと思う。何せアマチュアが趣味でやる分には納期や予算の縛りもない。技術や経験の蓄積はプロの方があると仮定しても、アマチュアの側は玉石混交とはいえ圧倒的な数がある。

 例えばつい昨日の話だけれど、自分は動画投稿サイトの作品を見て、今更『モンスターハンターポータブル2ndG』を買った。本当に今更だけれど。で、考えてみればこのソフトが出たのはもうかなり前で、それどころか続編がそろそろ出るというタイミングだ。『3rd』の体験版をやってみた事も一つの理由ではあるけれど、多分体験版だけであれば「ああ、大体こんなもんか」で終わっただろうと思う。つまり自分にこのソフトを買わせたのは素人の力だという事になる。

 広告やゲーム雑誌の記事、そしてメーカー自身による販促活動等には当然全てコストがかかっている。その為の会社があり、その為の部所があり、その為の人材がいて、少なくない経費がかかっている。それらをことごとくスルーしていた自分の様な人間を、実際に商品を買わせる所まで持って行ったのが一般人が趣味でアップした非営利の動画だったというのは、自分が広告業界で働いていたらちょっと頭を抱えるレベルの話だ。こんな採算度外視ルール無用の連中と同じ土俵で勝負するのかっていう。

 コンテンツビジネスにしてもそれは同じ事で、例えば自分がその動画を見る為に割いている時間というのは、昔だったらテレビを観ていた時間だったりした訳だ。テレビの側に立てばこれは視聴者を失ったという事になる。
 自分は視聴者の側なので、コンテンツを提供する側の事を心配する様な立場ではないけれど、今はまだこれらの問題は深刻化していないにせよ、これから先は分からないなと思う。動画投稿サイトを熱心に見る人の割合はそんなに多くないとしても、例えばアマチュアが面白いコンテンツを無料で、作者の純然たる趣味としてどんどんサイトにアップして行くとか、自作の小説や漫画を出版社の賞に応募するのではなく、サイトに直接アップして、読む方は無料でそれらを読む事が出来るとか、少し前から始まっているそういう流れが今後増えて行くだろう事は予想されるし「それでもいいや」という作者も確かにいる。
 そんな中で『少数のプロ対無名のアマチュア数万人』という対決になった時に、個々の対決ではプロが勝るにせよ、総体としてプロの商売が成り立たなくなるまでアマチュアの側に客を取られる事態というのは多分起こり得る話だ。

 と、久し振りにほぼ数日をゲームに費やした人間がコンテンツビジネスについて考えた振りをしてみた。まあ、こんな考察に意味は無いのだけれど「ここ数日ただゲームやって遊び呆けてました」と胸を張れなくなったのが、自分がゲーマーを廃業した理由なのかなという事で。うん、酷いオチだ。

テーマ : 雑記
ジャンル : 日記

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Author:黒犬
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地方の片隅で今日も黙々生息中。

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