タイガーマスク運動に望む事

 今日も今日とて仕事漬け。買った本が読めるのはいつの事やら。買うのはネット通販でも何でも使って買えるから良いのだけれどね。で、今日も雑記。

 ちょっと前の話題だけれど、あの『タイガーマスク運動』って結局何だったのだろう。最初の一人が匿名で子供達にランドセルを贈った事は普通に良い話として理解出来るけれど、その後の社会現象としての広がりは自分にはちょっと意外だった。日本人ってこんなにボランティアとか、寄付とか、チャリティーとか好きな人達だったっけ?っていうね。
 ネット上では『伊達直人』に対抗して、別のキャラクター名で贈り物をするのが一種の遊びとして扱われたりもした。メディアが食い付く事を見越した一種の祭りなのだろうけれど、その祭りで誰かが助かるのであれば結構な話だと思う。動機は不純だとしても。

 自分は常々、日本人はボランティア活動やチャリティーに関する関心が低いなと思っていた。その理由は後述するけれど、逆に海外ではこうした活動はもっとオープンだし、盛んだと感じる。

 以前、『LINKIN PARK』のアルバムについて書いたけれど、自分があのバンドについて面白いなと思うのは、彼等が意外にも真面目にこうした社会奉仕活動に取り組んでいるという事だ。『意外にも』なんて言うと失礼だろうなとは思いつつ。
 例えばヴォーカルのチェスター・ベニントンは、その風貌からするととても日本人が思い描く様な『ボランティアに熱心な人』のイメージに当てはまらない。PVを観ても分かる様に、坊主頭で両耳にはでかいピアス、上半身はびっしりタトゥーだらけだ。曲の中で彼が激しくシャウトする姿とチャリティー活動というのは日本人的な固定観念からするとなかなか結び付かない。
 でも実際の彼等はハリケーンや地震被害に対するチャリティー活動に熱心に取り組むし、被災者支援として10万ドルもの金額を寄付した事もある。そして時には兵士とその家族を無料でツアーに招待したり、彼等の犠牲を憂いて反戦的な曲をリリースする事もある。真面目なんだなと思う反面、日本は本当にそういう文化が育っていないなと痛感する。

 ぶっちゃけ、彼等がわざわざ批判を受ける覚悟をしてまで反戦的なテーマをアルバムに込める必要性というのは無いんだろうと思う。下積み時代が長かったとはいえ、彼等は既に社会的な成功を手にしている訳で、もっと制約を受けない自由なテーマで彼等の思い描く格好良い音をファンに届ける事だって出来る。それでも彼らがあえてそれをやるという所に、日本とアメリカ両国の国民性の違いが見て取れる。それは日本人とアメリカ人の社会参加というものに対する考え方の違い、当事者意識の違いでもあるだろう。
 日本なら、仮にチェスターの様な風貌をすれば偏見の目で見られるだろう。日本人はそういう事に物凄く細かい。身形をきちんとしろとかね。でもそうやって身形を整えて、規格品の様に皆が同じ様なビジネススーツに身を包み、いかにも真面目そうに『立派な社会の一員で御座います』みたいな態度を取っている大人達の中に『自分さえ良ければ他人や社会はどれだけ食い物にしても構わない』とか考えているろくでもない奴が紛れ込んでいたりする。極端な例として上辺だけの政治家とか、天下ってろくな仕事もせずに高給取ってる官僚とか。そもそもあんたらは国の為に働くのが仕事だろうが、と思うのだけれどね。言葉は悪いけれど。

 また、ボランティア活動にしてもその意識の低さは同じだ。自分は縁あって募金活動や地域の清掃活動等に参加した事もあるのだけれど、そういう活動をしている人に対する社会の目というものは実際『物好きがご苦労さんな事だね』程度のものでしかない。これはもう本当に実感させられる。
 例えば中学生位の頃だったか、横殴りの雪が吹き付ける様な野外で募金箱持って街頭募金の呼びかけをした事がある。赤い羽根だったかな。で、本当に『何やってんのこいつら』みたいな目で見られる訳だ。やっている方も「募金箱を見かけたら必ず募金しろ」なんて無茶な事は言わないけれど、何でそんな『嫌なものを見た』かの様なリアクションをされなければならないのかとは思う。それは日本人の中に『ボランティア=自己満足・偽善的』みたいなイメージがあるせいだろうなとは思う。社会奉仕以前に、個人レベルでの社会参加というものが根付いていない。

 日本人は『仕事』というものに対しては物凄く勤勉で責任感も強いのだけれど、それに対してボランティア活動の様に基本自由参加で、やりたい人が自主的に行う活動に対する評価は不当に低い。『参加者が自己満足で、好きでやってんでしょ』という扱いからいつまでも抜け出せないでいる。ボランティアなんてやっているのは奇特な人で、自分には関係無いという態度がむしろ日本では普通なのだろう。
 今回のタイガーマスク運動が、一過性のブームとして終わるのではなくて、こうした日本人の意識を少しずつでも変えて行くきっかけになるのならそれはそれで面白いなと自分は思っているし、そうなって欲しいと願っている。

テーマ : 雑記
ジャンル : 日記

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Author:黒犬
映画と小説を主食に生きている。
地方の片隅で今日も黙々生息中。

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