今、出来る事を

 少し前に、運行管理者の試験を受けた事について書いたけれど、今日、通知が届いた。

 結果、『合格』

 うむ。これで「会社の金で3日間も基礎講習に行って試験受けた挙句に落ちた給料泥棒」呼ばわりされずに済むぞと一安心。とはいえ、資格を取っただけでは困るので、毎日の業務にも試験勉強を通じて得た知識を最大限活かして行く所存。特に、目指せ事故ゼロ。
 しかし、正直原発問題渦中の福島県民としては、震災後の毎日が不安とストレスの嵐で、合格発表なんて記憶から完全に抜け落ちていた。合格した事を素直に喜ぶ精神的余裕はまだなかなか無い状態。『嬉しい』というよりも『ほっとした』という方が大きいかな。これで心配事が一つ減った、という様な感じ。

 その上で、思う。『今、出来る事をやって行く』結局はそれしかないのだという事を。

 原発に関する報道を見ていると不安になる。現に福島県というだけであらゆる場面で風評被害を受けているし、また風評被害だけではなくて、原発周辺では実害としての土壌汚染や水質汚濁が進んでいる現状がある。先行きは不透明だ。内陸部に住んでいる自分でさえ不安なのだから、浜通りに住んでいて原発周辺の地域から避難せざるを得なかった方々や、まだ避難出来ずに近隣に住んでいる方々はどれだけ不安な毎日を過しているだろうと思う。

 しかし、それでも日々は続く。

 時間の流れは自分達の都合など考えてはくれない。どれだけ毎日が不安でも、日々は過ぎ行く。ならば、その中で自分達が出来る事は何か。それは今の自分に出来る事を、無理の無いレベルでやって行く事しかない。
 特に、震災からの復興と原発問題は長期戦だ。「頑張れ、頑張れ」と毎日自分を奮い立たせるのも良いとは思うけれど、きっと気を張るばかりでは疲れ切ってしまう。100m走の様な全力疾走でマラソンコースの完走を目指す事が無謀な様に、今は「頑張り過ぎない」事が求められているのではないか。

 もしかすると「今、自分には何も出来ない」なんて嘆いている人もいるかもしれない。でもそういう時には『「何もしない」事が今の自分に出来る事だ』という位の気持ちの余裕があってもいいと思う。何も出来ない自分を責めても辛いだけだ。特に被災した状況下で、そんな辛い気持ちを抱えたまま毎日を生きる事は本当に困難だし、苦痛を伴う。だから自分を責める事は止めて、今は少し休んでみて欲しい。

 同様に、「今、自分にはこれしか出来ない」という人。その出来る事を続けて行って欲しい。中身は何でもいい。別にボランティアに参加出来なくても、支援物資や義援金を送れなくても構わない。仕事しか出来ないなら、仕事を頑張って欲しい。普段と同じ毎日を生きていて欲しい。別に何から何まで自粛する事もないと思う。
 ネット上では「歌う事しか出来ない」という歌手の発言を揶揄する様な言説もあった様だけれど、自分から言わせればそれでも構わない。歌う事しか出来ないなら、声を振り絞って歌っていて欲しい。その歌が誰かの耳に届いて、歌を聴いた事で少しでも前向きな気持ちになれる様な事だってあるかもしれない。それは、無駄ではないと信じる。

 自分達が今出来る事を、各々が、今立っているその場所で積み重ねて行く事。その一見無駄とも思える積み重ねが、やがて『日常』になって行く。今はせめてそう信じていたい。

 自分もまだこの場所で踏ん張って行こうと思う。

テーマ : 雑記
ジャンル : 日記

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Author:黒犬
映画と小説を主食に生きている。
地方の片隅で今日も黙々生息中。

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