時にはネタ的なアルバムを・Imaginary Flying Machines『プリンセス・ジブリ』

 気付けば最近は堅っ苦しい文章しか書いていなかったなーと思うので、たまには砕けた書き方で、こんなCDでもご紹介。ただ、最初に言っておくと一般受けは絶対にしなさそう。

 さて、タイトルに入った『ジブリ』の文字を見ても分かる様に、本作はスタジオジブリの映画のテーマソングをアレンジしたアルバムなのだけれど、『プリンセス』の文字に騙されると痛い目に遭うというある意味「タイトルに偽り有り」なCDになっている。正直全曲聴いた今でもどの辺りが『プリンセス』だったのかさっぱりなのだが……ああ、女性ボーカルだからか?一応。

 しかしまあ、「あのジブリ映画の名曲を○○で!」というCDはそれこそ掃いて捨てるほどある訳で、ジャズとかボサノバとかダンスアレンジとかトランスっぽいのからと、よくもまあここまで、という感すらある。だから大抵のアレンジでは今更新鮮味は無い訳だ。それで企画者が「マッチする組み合わせに新鮮味が無いなら、ミスマッチの方向に振り切ったものを作ればいいんじゃね?」と思った……のかどうかは知らないが、今回のCDは正直よく企画が通ったなと感心してしまった。


 ……誰がジブリの曲に『デスメタル』混ぜろって言ったよ。


 まあ曲調全体がデスメタルかと言われるとちょっと違う気もするけれど。
 デスメタルを聴かない人に改めて説明しようとすると難しいのだけれど、デスメタルでよく言われる『デスヴォイス』とか『デス声』とか言われる歌声(?)がある。擬音で書くと「ヴァァァァァ」とか「ヴォォォォォ」とかいう感じになるんだろうか。ダミ声というか何というか、イメージ的には「なまはげがカラオケ歌ってるみたいな」感じの声だ。「泣く子はいねがぁぁぁぁぁ!」っていうあのノリで。うん、我ながら例えが意味不明だが、反対に普通の歌声をデスメタル界隈では『クリーンヴォイス』とか言ったりする。

 本作では女性ボーカルがクリーンヴォイスで歌い、そのバックで男性ボーカルがデスヴォイスで合いの手を入れるという展開が多い。その為、コアなデス好きが全編デス声を期待すると肩透かしをくらい、普段デスメタルを聴かない人が聴くとデス声部分が耳障りに聴こえるというある意味中途半端なアルバムに仕上がっていると言えなくもない。まあ自分の様な中途半端なリスナーにとってはこの中途半端感がネタとして丁度良いとも言えるのだけれどね。

 正直1曲目の『となりのトトロ』のデスアレンジを聴いただけでもネタとしての元はとれたと思っている。てか、何でこの曲だけデス声が全編通して頑張っているのかが意味不明。「ダァレェカガァァァァァァ!!コォッソリィィィィィィ!!」って出だしを聴いた時にはぶっちゃけ自分が今何の曲を聴いているのか記憶が飛んだ。間違っても子どもには聴かせない方が良さそうな感じ。「こんなのボクがしってるトトロじゃないー!」とか言われそうな。まあ逆になまはげ効果は期待できそうだけど。

 最近腹抱えて笑ってないなーという人、ネタに飢えている人、ツッコミ気質の人、様々な方にオススメなCDに仕上がっているのではないでしょうか。個人的には『耳をすませば』の『Country Road』が結構いい具合に「青春の爽やかさに絡み付くデス声」という絶妙なミスマッチ感を醸し出していてお気に入りです。聴く前から凄く食べ合わせが悪そうな感じに思わせておいて実際に聴いても正にその通りな所が特に。

 

テーマ : 邦楽
ジャンル : 音楽

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Author:黒犬
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地方の片隅で今日も黙々生息中。

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