『ヱヴァンゲリヲン新劇場版:破』(ネタバレなし)

 観て来た。最寄の映画館では公開が無くて、少し足を伸ばしてきたけれど、その価値はあった。

 これは『序』にしても言える事だけれど、過去の作品をリメイクする時、特にその脚本に関して『ほぼ忠実に原作を再構成する』方向性よりも『原作の要点を引き継ぎつつ、全く新しい展開を盛り込む』方向性の方が、困難が多いのではないかと思う。そしてヱヴァンゲリヲン新劇場版は後者に属する。

 特に原作となる前作が名作として評価されていればいる程、その内容に手を加える事は難しくなっていく。展開を変える事はつまり既存の作品を一度破壊し、新しい展開を加えた上で再構成するという事だからだ。そして一度原作を壊す以上、その上に立つ事になる新作は原作を超えなければならない。原作を超えないのなら、そもそも原作を破壊してまで新作を作る意義が無いからだ。

 その意味で、本作は『序』からの流れを引き継ぎつつも、更に『破』として原作の流れを一度破壊し、新たな方向性を確立する事に成功した。原作に当たるTVシリーズや前劇場版が打ち立てたものは相当に高いハードルとしてあったと思うし、またそれを崩す事には並大抵ではない抵抗感があった筈だ。特に新キャラの追加は、下手をすると原作のイメージを完全に崩してしまう要因ともなるだけに、決断までには相当の覚悟が必要だったと思う。
 当然作り手だけではなく、それを観る側にも同様の抵抗はある。それでも本作を観終わった後で満足感と共に劇場を後に出来たという事は、それだけ『破』が優れていたという事の証明だと思う。

 本当はもっと中身に踏み込んだ感想を書くべきなんだろうけれど、今はまだ自分の中で整理できていない部分があるので控える。もう少し時間が経って、きちんと気持ちに整理が付いた時でなければ、この映画をどう評価するのかを固める事は難しいだろう。でも、今たった一言で感想を書くならば『面白かった』としか言えない。

 少しでも興味があるなら足踏みしていないで明日にでも劇場に足を運ぶべきだと思う。『幸せは歩いて来ない』のだから。大丈夫、決して損はしない筈だ。

 

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Author:黒犬
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地方の片隅で今日も黙々生息中。

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