ある意味書店巡りの醍醐味・倉狩聡『かにみそ』

 

 最近ブログの更新をサボり気味だったのでリハビリがてらこんな作品をご紹介。

 このところ、特にライトノベル等で妙に長いタイトルの作品が多いな、という印象を持っていた。しかも結局はその長いタイトルを4文字程度の略称にしたりするので、自分の様にアンテナが低い人間だともう略称だけ聞かされても元のタイトルが何だか分からない。
 この流れが出来上がったのがどの辺りからなのか詳しくは知らないけれど、中には単純にタイトルが長いだけではなくて、「タイトルだけ読めば何となくどんな内容の作品なのか想像が付く」様なものもあると思う。ここで具体的にタイトルを書くと作品批判と誤解されるおそれがあるのでやめるけれど。

 長文タイトルで、しかもタイトルから内容がある程度想像出来る作品というのは読者からすると買い易いのかもしれないとは思う。特に今まで買った事のない作家の作品だったりすると、自分の好みに合う作品なのかどうか書店で迷う事もあるだろうから。でも自分は時に「タイトルから内容が全く読めない作品」に手を出したくなる時がある。何が出て来るか分からない緊張感を味わいたいというか何というか……と、ここまでが前置き。

 『かにみそ』

 この表紙を書店で見掛けた時、全く購入予定に入っていなかったにもかかわらず、気が付けばレジに持って行っていた……というのはさすがに言い過ぎだけれど、この『かにみそ』というタイトルと、西島大介氏のイラストにやられた事だけは確かだ。どんな作品なのかさっぱり分からない。しかも、何とか作品の内容に関する手がかりを得ようとして帯の文を読むともっとわからなくなるという罠が待ち構えていた。

 『今年一番泣けるホラーできました。』

 「ホラーなのかよ!!」と危うく店内で叫びそうになった。この可愛らしい表紙で、しかもタイトルが『かにみそ』で。その上「泣けるホラー」って何だよっていう。よく見れば確かに『第20回 日本ホラー小説大賞優秀賞受賞』と書いてあるけれど。自分はこの時点でもう「やられた」と思って、中身に目を通さずにそのままレジへ直行した。これはもう買うしか、というレベルだったので。

 もうこの作品については、その内容について触れる事自体が野暮だと思うのでやめる事にする。この題名と表紙が醸し出す『何が出て来るか分からない感』をそのまま味わう為にも、予備知識は一切排除して、先入観無しで書店に行ってもらえればと思うから。ネットで購入しようとすると、カスタマーレビュー的なものがどうしても目に付くと思うし。ホラーが苦手だという方も、この作品ならいけるのではないかと思う。個人的にだけど……って、仮にも日本ホラー小説大賞で優秀賞を受賞した作品に対する褒め言葉として妥当かどうかは分からないけれどね。

 

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地方の片隅で今日も黙々生息中。

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