武田日向『異国迷路のクロワーゼ』

 暗い話題ばかりでも何なので、明るい漫画のご紹介。

 先に書いた様に、自分は本と名の付く物なら何でも読むので当然漫画も読む。で、その中でも極力明るいものを選んでみた。最近新刊も出たので。

 この作品は19世紀後半のフランス、パリを舞台に、異国の地で奉公する事となった日本人の少女『湯音(ユネ)』が下町の鉄工芸店『ロアの看板店』の看板娘として、若き店主、クロードらと共に頑張る姿を描いたもの。ユネが健気で可愛らしいというそれだけの理由で読んでいるわけだが、絵も非常に好み。

 余談だが、かつて放送されていたアニメシリーズ『世界名作劇場』。自分はあれがどうしてもまともに見られない奴だった。何故かと言うと、『小公女セーラ』とか、ああいう『主人公には何の落ち度も無いのに、周囲から次々無理難題が湧いて出てきていつも酷い目に遭わされる』作品は、主人公達のあまりの不遇さが可哀想になってしまって見ていられないのだ。(同様に、夏になると必ずテレビ放映される『火垂るの墓』も一度も通して見た事が無い)

 同じ奉公を扱った作品でも、この作品がもしも『おしん』みたいなノリの作品だったら絶対に読んでいないだろうなというか、読めない。可哀想で。
 でもこの『異国迷路のクロワーゼ』のいい所は、ユネもユネを取り巻く登場人物たちも皆いい人で、作中でのユネの努力は必ず報われる様になっている所。現実ではそんな事は有り得ないし、いくら努力しても報われない時は報われない。自分に何一つ落ち度が無くとも周囲の失敗に巻き込まれる可能性もある。でもそんなものが読みたいかという話だ。

 せめて漫画の中くらい、こんなご都合主義があってもいい。ご都合主義ばかりでそこに逃避する奴が増えるのも困るのかもしれないけれど、たまには、少しくらいは許されていいんじゃないかと思う。



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Author:黒犬
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地方の片隅で今日も黙々生息中。

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